前回に引き続き、USEN&U-NEXT GROUPの株式会社USEN(以下、USEN)様の導入事例(後編)をご紹介します。前編では、「SmartSlide導入前に抱えていた営業課題」と「導入を決めた経緯」についてご紹介しました。今回の後編では、SmartSlide導入が「営業活動にもたらした具体的な変化」、「全社展開への取り組み」、「今後の展望」についてご紹介していきます。左から営業企画統括部 ゼネラルマネージャー 兼 営業推進部 部長 大田 勇樹 様営業企画統括部 営業推進部 シニアマネージャー 兼 営業推進課 課長 宮澤 雄太 様営業企画統括部 営業推進部 菊池 様SmartSlide活用による営業現場の具体的な変化とは?成果① 「すぐ作れる」「すぐ見つかる」で、提案スピードが向上宮澤様:法人営業部とエンタープライズ事業部では、複数店舗を展開する“チェーンストア型”の法人企業を担当しており、個社ごとにオリジナルの提案資料を作成する機会が多くあります。そうしたタイミングで、SmartSlideは活用されています。また、お客様をご紹介いただくためのパートナー契約を推進するビジネスアライアンス部でも、パートナー企業様向けの商材提案や報告書作成にSmartSlideを活用しています。公式資料と個別の提案資料を組み合わせながら、効率的に資料作成を行っています。実際に営業担当者からは、「必要な資料がすぐに見つかることで作業時間が短縮され、提案資料をチームで共有することでナレッジ共有が進み、営業の意識も高まっている」といったポジティブな声が挙がっています。さらに若手の営業担当者からも、「先輩の資料を参考にすることで提案のイメージがつかみやすくなり、提案資料作成の立ち上がりがスムーズになりました」といった声があり、若手の育成面でも効果を実感しています。成果② ロープレと連動した活用で、提案の質が大きく向上大田様:SmartSlideは、社員のスキルアップにも大きく貢献しています。エンタープライズ事業部では、新入社員を対象に提案コンテストを実施しており、企業リサーチからレポート作成、提案資料の作成、ロープレまでをOJT担当者と一緒に取り組むことで、実践的なスキルアップを図っています。この過程で、SmartSlideが資料作成の負担を軽減し、学習に集中できる環境づくりを提供するツールとして、大きな一助を担っています。また、新入社員以外の社員に対しても、SmartSlideを活用した営業力強化の取り組みを進めています。たとえば商談の質を高めるために、顧客とのアポイントの約1週間前には上長とのロープレを実施しているのですが、SmartSlideの活用によって個社別の提案資料を素早く作成できるようになり、準備がスムーズに進むようになりました。その結果、ロープレの内容もより充実し、実際の商談の質が格段に向上していると実感しています。成果③ お客様の“ありがとう”が増え、新規案件受注のチャンスも広がった大田様:SmartSlideの導入によって、提案のスピードと品質の両面に変化が現れました。ルート営業の特性上、お客様先への訪問頻度や行動量そのものに大きな変化はありませんでしたが、商談前の準備時間は明らかに短縮されています。そして何よりも嬉しいのは、お客様からの反応が変わったことです。実際に、以下のような声を多くいただくようになりました。「私たちのために、こんなに詳細まで提案資料を作ってくれてありがとう」「カタログや公式資料ではなく、自社の課題に合った解決策を提案してくれたおかげで、上司にも上申しやすかった」「これまで口頭だった報告がSmartSlideで“見える化”され、パートナー企業から『わかりやすい』と好評だった」さらに、新卒メンバーがSmartSlideを活用して初めて提案資料を作成・提出し、それがきっかけで新規案件を受注するという成果も生まれました。これらはすべて、SmartSlideの導入によって提案の品質が底上げされた成果だと考えています。SmartSlideを複数部門へ横展開する上での工夫と乗り越え方菊池様:SmartSlide導入後の成果を受けて、私たちは提案資料を活用する他部門への展開に舵を切りました。法人営業部やビジネスアライアンス部のように、個社ごとの課題にあわせたオリジナルの提案資料を作成する部門であれば、SmartSlideの活用は十分に横展開できると判断したのです。ただし、部門を跨いで展開を進めるには、いくつかのハードルがあり、導入をスムーズに進めるためには工夫も必要でした。工夫① 提案資料の価値を伝え、PowerPoint操作も丁寧にサポート菊池様:提案資料を作成する習慣のない部署に対しては、まずSmartSlideの価値を実感してもらうことから始めました。具体的には、SmartSlideを活用した成功事例を共有したり、提案資料を活用するメリットを営業担当者がイメージしやすいように伝えたりしています。また、PowerPointスキルに不安がある社員に対しては、基本操作からレクチャーしました。その上で、SmartSlideの使い方についても、実践形式で丁寧に教えていきました。さらに、提案資料のストーリー構成に悩む営業担当者向けに、公式資料をもとにしたストーリーラインのフォーマットを提供したことで、提案の各フェーズに応じた提案資料を、誰でも組み立てられるようになりました。工夫② 各部門に“推進者”を配置し、SmartSlide活用を後押し宮澤様:SmartSlideの浸透を促すために、各支社に「推進者」を配置するという取り組みも行いました。推進者の方々には、こちらからのメッセージを現場に伝えるだけでなく、活用状況の共有や、現場の課題を吸い上げる“ハブ”の役割を担ってもらいました。推進者からのフィードバックは概ね好評で、「他の社員が作成した資料をすぐに閲覧・引用できる点が特に便利」という声が寄せられています。一方で、「資料作成スキルにバラつきがある」「長年の営業スタイルを持つベテラン社員の中には、変化への抵抗感も見られる」といった課題も改めて確認されました。このような現場の声は、今後の浸透施策を考えるうえで重要な示唆となっています。菊池様:今後は、SmartSlideの活用をさらに促進するために、提案フォーマットや公式資料の拡充も進めていく予定です。併せて、PowerPointやSmartSlideのさらなる活用方法を社内で共有したり、営業担当者が作成した質の高い提案資料を集約・共有することで、誰もが資料作成に取り組みやすくなる環境を整えていければと考えています。工夫③ 組織特性に合わせた目標設定と進捗管理で活用を促進宮澤様:4月からSmartSlideの導入を開始した2部門では「2ヶ月間で1件以上の提案資料を作成する」という目標を設定し、その進捗を管理しています。また、エンタープライズ事業部では、提案資料の作成を評価項目に組み込んでいます。その上で、月3件以上の作成を義務づけるという運用を行っています。このように、一定期間内で達成すべき数値目標を明確にすることで、新しいツール活用への抵抗感を減らし、利用促進と成果の向上につなげられていると考えています。SmartSlideへの今後の期待と展望菊池様:期待としては、AIを活用した機能の進化に注目しています。特に、提案資料のレコメンド機能や提案のストーリーラインを自動生成する機能です。資料作成におけるハードルの一つは「ストーリー構築の難しさ」です。営業担当者が直面する課題や顧客のニーズに応じて、AIが資料の骨子を自動で組み立て、それをベースにカスタマイズできる仕組みがあると理想的です。さらに、公式資料にはないオリジナルのスライドを分析し、“優れた提案資料”の共通点をAIが抽出・可視化する機能があれば、各営業担当者の提案スキルの底上げにもつながると考えています。こうしたAIの活用によって、より質の高い営業活動が可能になる未来に期待しています。