ダイジェスト① 課題ダスキン法人営業部では、提案資料が個人管理で散在・属人化。バージョン不統一・更新漏れも多発し、資料作成スキルにも差があり、提案機会を逃すケースが頻発。過去商談のナレッジ蓄積も不十分だった。② 解決策提案資料の一元管理のため「スマートスライド」を導入。全営業から資料を収集し、業種・用途別に分類。テンプレート化して登録し、誰でも短時間で高品質な資料が作成できる環境を整備。Salesforce連携で商談と資料活用履歴も可視化。③ 導入後の効果属人化が解消され、誰でも自信を持って提案書を活用可能に。営業の質・スピードが向上し、ナレッジ共有文化も定着。今後はAI活用による自動レコメンド・生成も視野に社内推進中。ダスキンの営業領域について教えてくださいダスキンでは、フランチャイズモデルを軸に、日本全国の市場を大きく3つにセグメントし、それぞれに異なる営業戦略を展開しています。まず1つ目は、「全国に展開する小規模な加盟店へのSMB営業」です。加盟店はそれぞれに担当エリアを持ち、その中で商店街や地域の個人商店、小規模な中小企業など、いわゆるSMB層にアプローチを行っています。 SMB層へのアプローチは非常に泥臭く、街を歩きながら1軒1軒丁寧に提案していくスタイルです。地域の暮らしに根差したサービス提供が、ダスキンの大きな強みでもあります。2つ目は、「全国9つの地域本部への営業」です。ここでは、特定地域で展開するリージョナルチェーン(例:東北限定の飲食チェーンなど)や、その地域の有力企業を主なターゲットとしています。 地域に強い影響力を持つ企業群に対して、各地域本部の専任チームが営業活動を行い、エリア全体の商圏開拓を担っています。そして3つ目が、ダスキン本社にある法人営業部門で、東京・大阪を拠点として全国に本社を置く「ナショナルチェーン・上場企業・エンタープライズ顧客への営業」です。 法人営業部内の「戦略企画室」は、営業DXやセールスCD(Customer Development)の推進、マーケットイン/インサイドセールス領域までを担う、営業戦略の中核部門です。 1社で全国500店舗を展開するような大型チェーンでは、1つの加盟店だけで対応するには限界があります。そうしたケースでは、法人営業部が契約から請求・窓口機能まで一括で担い、全国にサービスを展開できる体制を構築しています。これまでの営業部における課題は何でしたか?当時、営業資料はPowerPointでつくるのが当たり前でしたが、資料作成において課題を感じていました。正直なところ、営業担当者ごとに資料作成のスキルには大きな差がありました。資料作成が得意な者もいましたが、多くは「できればやりたくない」と感じているのが実態としてありました。そんな背景から、当時は提案資料を作らずに総合パンフレットやチラシで済ませるような営業活動も散見されていました。さらには、提案資料の管理方法も属人的で、各営業担当が自身のローカルPCに保存していたり、一部はboxなどのクラウドツールに保管していたものの、情報が更新されずに放置されたままという状況が続いていました。結果として、「最新版がどこにあるのかわからない」「他部署と共有されていない」といった問題が慢性的に発生していました。このままでは、営業組織全体のレベルアップは見込めません。そう感じたのが、セールスイネーブルメントとして営業組織を強化するべく、本腰を入れようとしたタイミングでした。営業活動の質を上げるために、まずは「提案資料=武器」を共通言語として整備・共有し、ナレッジを貯める仕組みが必要だと考えるようになりました。SmartSlide導入の経緯と、導入後に取り組んだことについて教えて下さい。SmartSlideを導入した経緯は、先述した「営業活動の強化と標準化への強い危機感」です。属人的かつ共有がしづらい提案資料の運用から脱却し、誰もが一定品質の営業資料を使える環境を整えることで、営業組織全体のパフォーマンスを底上げしたい。そう考えたときに、まず手を付けるべきは「営業資料の作成方法」そのもので、このタイミングでSmartSlideと出会いました。導入後にまず取り組んだのは、社内に眠っている提案資料を全営業から回収することでした。ローカルやboxに埋もれていたスライドを引っ張り出してもらい、「これは使える」「これは気合いを入れて作った」「これは頻繁に使う」といった観点で分類しました。会議室の壁や床に資料を並べて、”情報が重複している資料”や”営業として使える構成”を可視化しました。そこから、飲食店向け、工務店向け、病院向け…といった業種別の提案ストーリーや、厨房・トイレ・フロアなど空間別のソリューションごとに資料の整理を進めました。営業資料の質を高めるために、土台となる資料を精査していくイメージで、取り組んでいました。導入後に感じた効果一番大きな変化としては、今まで資料作りに約3時間かかっていたのが、5分で終わるようになったことです。 提案資料の作成に苦手意識があったメンバーも、資料を組み合わせて作れる環境が整ったことで、“自分でもすぐに提案資料が作れる”という成功体験が積み重なり始めています。各人が、テンプレート化してSmartSlideに組み込んでいく中で、“誰がどんな資料を持っているか”が可視化され、ナレッジが共有財産として流通し始めていることは、本当に嬉しく思っています。また、整理した資料をSmartSlideに取り込み、誰でもすぐに引き出せる形にしたことで、これまで“誰が何を持ってるかわからない”状態から、“誰が作っても一定品質で、必要な資料にすぐアクセスできる”状態になりました。資料作成にとどまらず、改善している業務もあります。 営業活動における資料の運用について、これまでは「どの商談で、いつ、どの資料を使ったのか」といった記録が十分に残っておらず、提案の成果と資料内容を紐づけて振り返ることが難しい状況でした。これを改善するため、現在はSalesforceとの連携を前提とした「資料×案件」管理の仕組みづくりを進めています。この仕組みによって、将来的には「どの資料が、どの業種・どの立場に響いているか」といった、より粒度の細かい営業インサイトの取得も目指しています。さらに「どの資料に、どのようなコンテンツ(スライド・ワード)が含まれていたか」を分解・解析することで、”営業における勝ちパターン”の再現性も高めていく方針です。SmartSlideに対して、今後の期待等あれば教えて下さい。SmartSlideに対して大きく期待しているのは、Salesforceと営業ナレッジの連携強化と、AIによる提案資料の自動生成です。営業活動の中で「いつ、どの提案資料を使ったのか」「どんな会話が交わされたのか」といった情報はSalesforce上に蓄積されています。これらの履歴をもとに「AIが自動生成した提案資料を微調整するだけ」。そんな世界を実現してほしいと思います。特に、営業担当が本当に提案に集中できる環境を整えるには、資料作成という業務の生産性を根本から変える必要があります。SmartSlideには、その基盤となるテクノロジーとして、大きな可能性を感じています。